健康

犬がご飯を食べないけど水は飲むときの原因と正しい対処法

「うちの犬がご飯を食べない…」

「水は飲むけど元気がない…」

このような悩みを抱えている飼い主さんは少なくありません。

愛犬が急に食欲をなくすと、不安になりますよね。とくにご飯は食べないけど水は飲むような場合、「病気なの?」「フードが合わないの?」と原因がわからず戸惑うこともあるでしょう。

実はこの症状、軽い体調不良から重大な病気まで、さまざまな理由が考えられます。早めに対応することで、回復も早まるかもしれません。
わが家でも、数カ月に一度はご飯を食べなくなる場面に遭遇し、その都度対処しています。

この記事では、「犬がご飯を食べないけど水は飲む」場合に考えられる原因と、すぐにできる対処法を私の体験談も交えてわかりやすく解説します。大切な愛犬の健康を守るために、ぜひ参考にしてください。

犬がご飯を食べないけど水は飲む主な原因5つ

まずは、犬がご飯を食べないけど水は飲む場合の主な原因を5つにまとめて紹介します。

  • 口の痛みや歯のトラブル
  • 胃腸の不調や便秘
  • 環境ストレスや不安
  • 内臓の病気(腎臓・肝臓など)
  • 劣化または好みに合わない味のフード

考えられる原因を1つずつ確認してみましょう。

口の痛みや歯のトラブル

犬がご飯を食べないけど水は飲む場合の主な原因の1つ目は、口の痛みや歯のトラブルがある場合です。

口腔内のトラブルは、ご飯を食べない原因のひとつです。歯周病や歯のぐらつき、口内炎があると、噛んだり飲み込んだりするのが苦痛になります。

このような場合には、特にカリカリタイプのドライフードは硬いため、口の中が痛いと食べたがりません。

口元を触られるのを嫌がる、ヨダレが増える、食べるふりをしてすぐやめるなどの様子があれば要注意です。動物病院で口腔チェックを受けることで、原因を早期に特定できることもあります。

胃腸の不調や便秘

犬がご飯を食べないけど水は飲む場合の主な原因の2つ目は、胃腸の不調や便秘がある場合です。

胃や腸が正常に働かないと、食欲が低下します。軽い胃もたれや便秘、ガスのたまりでもご飯を避けることがあります。

逆に、水は胃腸に負担が少ないため、飲むことができるのです。最近便が出ていない、吐き気がありそう、ぐったりしているなどの様子があれば、早めの対応が必要ではないでしょうか。

日常の排便リズムも観察してみてください。

環境ストレスや不安

犬がご飯を食べないけど水は飲む場合の主な原因の3つ目は、環境ストレスや不安がある場合です。

引っ越しや模様替え、家族の外出など生活環境の変化がストレスとなり、食欲に影響を与える場合があります。

犬は敏感な動物です。いつもと違う匂いや音、人の気配に不安を感じ、ご飯を口にしなくなることも珍しくありません。

以前、愛犬を連れていけない2泊の旅行へ行ったことがあります。その時にはペットホテル(いつもトリミングしているサロン)に預けて行きましたが、戻ってから数日はご飯を食べませんでした。その時にはいつも以上のスキンシップを心がけることで食べるようになりました。

散歩や遊びで気分転換をさせるほか、安心できる静かな環境で食事をさせてみてください。落ち着いた日常が戻ると、自然と食欲が戻ることもあります。

内臓の病気(腎臓・肝臓など)

犬がご飯を食べないけど水は飲む場合の主な原因の4つ目は、内臓に病気がある場合です。

水だけは飲むけれど食べないという症状は、腎不全や肝疾患などの初期段階で見られることがあります。これらの病気は、進行するまで明確な症状が出にくく、気づかないうちに悪化してしまうことも。

多飲や尿量の変化、元気のなさや体重減少が見られる場合は、迷わず獣医師に相談しましょう。血液検査で原因を特定できる場合があります。

劣化または好みに合わない味のフード

犬がご飯を食べないけど水は飲む場合の主な原因の5つ目は、ご飯に問題がある場合です。

フードが酸化していたり、湿気を吸って風味が落ちていると、犬は食べたがらない場合があります。

また、味や香りの好みが変わることもあり、これまで食べていたフードでも急に拒否することがあります。パッケージの保存状態や賞味期限を確認し、新しいフードを試してみるのもひとつの方法です。温めて香りを立たせる工夫も有効ですよね。


病気が原因の場合にできる対処法4つ

ここでは、病気が原因の場合にできる対処法を、4つにまとめて紹介します。

  • 動物病院を受診する
  • 口腔の治療をしてあげる
  • 胃腸薬や食欲増進剤を使う
  • 慢性疾患の治療を進める

犬がご飯を食べずに水だけを飲む状態が続くときは、病気のサインかもしれません。軽症のうちに適切な対処をすることで、愛犬の負担を減らせます。ここで紹介する方法を参考にして、早めの対応を心がけましょう。

動物病院を受診する

病気が原因の場合にできる対処法の1つ目は、動物病院受診することです。

まずは獣医師の診察を受けることが基本です。食欲不振が1日以上続く場合、自己判断で様子を見るのは危険かもしれません。

特に、体重減少や下痢、嘔吐などの症状がある場合は早急な受診が必要です。血液検査や尿検査を行うことで、腎臓や肝臓の異常、感染症などの原因を見つけやすくなります。

自宅での観察記録も持参すると、診断の助けになりますよ。

口腔の治療をしてあげる

病気が原因の場合にできる対処法の2つ目は、口腔の治療をすることです。

歯周病や口内炎が原因で食べられない場合は、口腔ケアや治療が必要です。獣医による歯石除去や炎症の処置を受けることで、痛みが軽減され、食欲が戻る場合もあります。

高齢の犬や小型犬は歯のトラブルが起きやすいため、定期的な口内チェックを習慣にしてみてください。

口元を触られるのを嫌がる場合は、早めに相談することをおすすめします。

胃腸薬や食欲増進剤を使う

病気が原因の場合にできる対処法の3つ目は、胃腸薬や食欲増進材を使うことです。

胃腸に問題があるときは、動物病院で整腸剤や胃薬を処方してもらうことがあります。症状によっては、一時的に食欲増進剤を使うことで、食事量が回復するケースもあります。

ただし、薬に頼りすぎず、あくまで一時的なサポートとして使うのがよいでしょう。薬の種類や量は自己判断せず、必ず獣医師の指示を守ってください。

慢性疾患の治療を進める

病気が原因の場合にできる対処法の4つ目は、慢性疾患の治療を行うことです。

腎不全や糖尿病、肝疾患などの慢性病が原因であれば、長期的な治療と食事管理が必要です。療法食への切り替えや水分補給の工夫、定期的な通院など、愛犬の状態に合ったケアが求められます。症状が安定すれば、少しずつ食欲が戻ることもあるでしょう。継続的なサポートを行いながら、小さな変化も見逃さないようにしてください。

小さな変化を見逃さないためにも、定期的な健康診断は効果的です。春・秋もしくは、最低でも年に1度の健康診断は受けるようにしたいものです。


ストレスで食べないときの対策4つ

それでは、ストレスで食べないときにはどのようにすればよいのでしょうか。

ここでは、ストレスで食べないときの具体的な対策を4つにまとめて紹介します。

  • 静かな場所で食事させる
  • 散歩や遊びで気分転換
  • 生活リズムを整える
  • 香りを立たせて食欲を刺激

静かな場所で食事させる

ストレスで食べないときの、1つ目の対策は「静かな場所で食事させる」ことです。

落ち着いた環境で食べると、犬の警戒心が和らぎます。テレビの音や人の出入りが多い場所では、集中して食事を取ることができません。安心して食べられるように、静かで人の少ない場所に食器を置いてみてください。

普段と違う位置やタイミングでの食事が効果的なこともあります。飼い主の気配がそっと伝わる距離で見守るのもよい方法です。

散歩や遊びで気分転換

ストレスで食べないときの、2つ目の対策は「散歩や遊びで気分転換」することです。

人間と同じで、軽い運動は、ストレス発散や食欲の回復につながります。散歩やおもちゃで遊ぶ時間を増やすことで、犬の気分が変わり、再び食事に興味を持つこともあります。

無理のない範囲で、外の空気を吸わせてみるのもよいでしょう。ストレスが原因の場合、過度な干渉よりも自然な刺激が効果的です。

生活リズムを整える

ストレスで食べないときの、3つ目の対策は「生活リズムを整える」ことです。

犬は、毎日の生活にリズムがあると安心します。逆に起床・散歩・食事・就寝の時間がバラバラだと、不安を感じてしまうかもしれません。

なるべく同じ時間帯に食事や散歩を行うことで、体内リズムが整い、食欲にも良い影響が出ることがあります。休日や忙しい日も、最低限のルーチンを守ってあげてください。

我が家では、食事のタイミングは前後30分以上ずれないように気をつけています。

香りを立たせて食欲を刺激

ストレスで食べないときの、4つ目の対策は「フードの香りを工夫する」ことです。

ストレスで食欲が落ちているときは、フードの香りを強めると効果があります。いつものフードをぬるま湯で少し温めるだけでも、香りが立ち、食欲が戻ることがあります。市販のふりかけやトッピングを使うのも良い方法です。

ただし、嗜好性ばかり高めると偏食につながることもあるので、適度に取り入れてみてください。


ご飯を食べさせるためのフードの工夫4つ

少しでもご飯をたべさせるためには、どのようにすればよいのでしょうか。ここでは、ご飯を食べさせるために行うべきフードを工夫を、4つにまとめて紹介します。

  • トッピングで味を変える
  • フードを温めて香りを出す
  • ウェットフードに切り替える
  • 少しずつ新しいフードに慣らす

トッピングで味を変える

フードの工夫1つ目は、トッピングで味を変えることです。

フードの香りや味に飽きてしまった犬には、トッピングを加えるのが効果的です。鶏のささみやゆでた野菜、ヨーグルトなどを少量加えることで、いつもの食事が特別なご馳走に変わります。香りが強く、消化にも優しい食材を選ぶのがポイントです。

ただし、与えすぎは栄養バランスを崩す原因にもなりますので、あくまで香りづけ食欲刺激の役割として使いましょう。また、我が家の場合、ストレスなど一時的な原因と考えられる場合にはこの手法は使用しません。癖になることが怖いからです。

この手法を使う場合にあh、数種類のトッピングを交互に使いながら、偏りを防ぐ工夫もおすすめです。

フードを温めて香りを出す

フードの工夫2つ目は、フードを温めて香りを出すことです。

嗅覚の鋭い犬にとって、香りは食欲に大きく影響します。そこで、ぬるま湯をかけたり、電子レンジで軽く温めたりしてフードの香りを引き出すのは有効な方法です。

特にシニア犬や食欲が落ちている犬に対しては効果が高く、温めたフードに顔を近づけると興味を示すことが多いです。

ただし、温めすぎはやけどの原因になりますし、栄養素が損なわれることもあるため、人肌程度の温度を目安にしてください。フードの香りだけでなく、食感にも変化が出るため、刺激のひとつになります。

ウェットフードに切り替える

フードの工夫3つ目は、ウェットフードに切り替えることです。

ドライフードを拒否する犬には、より香りが豊かで食感もやわらかいウェットフードが向いています。歯や口のトラブルがある犬や、水分不足が気になる犬にも適しており、食事と水分補給を同時に行えるメリットもあります。

切り替える際は突然ではなく、ドライと混ぜながら徐々に慣れさせていくのが理想です。初日は1〜2割から始め、1週間ほどかけて切り替えると消化器への負担が軽減できます。

好みに合うフレーバーを見つけることで、再びご飯の時間を楽しめるようになるかもしれません。

少しずつ新しいフードに慣らす

フードの工夫4つ目は、少しずつ新しいフードに慣らすことです。

犬がフードに飽きたり、急に好みが変わったりすることはよくあります。その際に急にフードを全変えてしまう、警戒したりお腹を壊したりすることがあるため、少しずつ新しいフードに切り替えるのが基本です。

最初は旧フードに対して2割だけ新フードを混ぜ、毎日1割ずつ割合を増やして1週間ほどで完全に切り替えるのが理想的です。この方法なら味や香りの変化に犬が順応しやすく、食欲をスムーズに取り戻すことも可能です。

わが家では複数のメーカーや味をローテーションしながら、食べ飽きを防ぐ工夫をしています。


動物病院に連れて行くべきサイン4つ

犬が水は飲むのにご飯を食べないとき、体調に異常がある可能性も考えられます。そこでここでは、動物病院に連れていくべきサインを4つ厳選して紹介します。

  • 食べない状態が2日以上続く
  • 体重減少や元気がない
  • 水ばかり飲んでいる
  • 吐く・下痢・便秘がある

自己判断では見逃しやすいサインを把握しておき、必要なタイミングで適切な診察を受けられるようにしましょう。

食べない状態が2日以上続く

動物病院に連れていくべきサインの1つ目は、食べない状態が2日以上続くときです。

食べない状態が1~2日続くと心配になりますが、さらに2日以上続く場合は、何かしらの異常が隠れている可能性が高いです。とくに水だけ飲む状態が続くと、内臓系の不調や口腔トラブルが疑われます。

ご飯を前にしても興味を示さない、匂いをかぐだけで食べないなどの行動が見られたら、迷わず病院に行くことをおすすめします。長引かせるほど体力も落ち、回復が遅れる原因になります。

体重減少や元気がない

動物病院に連れていくべきサインの2つ目は、体重の減少や元気のなさが目立つときです。

目に見えて痩せてきた、遊ばなくなった、表情が乏しくなったなどの変化が見られる場合は、体のどこかに異常が起きている可能性があります。犬は本能的に不調を隠す動物ですが、体重や元気の変化はごまかしがききません。

日々の様子を観察し、小さな変化でも「いつもと違うな」と感じたら早めに受診しましょう。体調の悪化を放置すると、治療に時間がかかることもあります。

水ばかり飲んでいる

動物病院に連れていくべきサインの3つ目は、水ばかり飲んでいるときです。

水を飲む量が急に増えたり、水ばかり欲しがるようになった場合は、腎臓や糖尿病などの病気の初期症状であることがあります。のどの渇きを感じる病気は、食欲不振と併発することが多く、見落とされがちです。おしっこの回数や量が増えている場合も注意が必要です。

日常的に水飲みの様子を観察し、飲み方に違和感があるときは記録をつけて獣医に伝えてみてください。何度もいうようですが、愛犬の日々の状態をしっかり把握し、違和感に気づけることが大切です。

吐く・下痢・便秘がある

動物病院に連れていくべきサインの4つ目は、吐く・下痢・便秘があるときです。

食べないだけでなく、吐いたり下痢をしたりしている場合は、胃腸に直接的な異常があると考えられます。特に食べ物を受け付けず、水しか飲まない状態が続く場合は、脱水や栄養不足につながるおそれがあります。

便秘も同様で、腸内の動きが鈍っている証拠です。何度も吐く血便が出る、長く排便がないといった症状があれば、すぐに動物病院で診察を受けるようにしてください。


まとめ

犬がご飯を食べないけれど水は飲む場合、その背後には体の不調やストレス、フードの好みの変化そして病気の初期症状など、さまざまな要因が潜んでいます。放っておくと体力が落ちたり、症状が悪化したりする可能性もあるため、早めの対応がとても重要です。

まずは落ち着いて愛犬の様子を観察し、気になる変化があれば獣医師に相談するようにしましょう。

日々の食事の様子に気を配ることで、愛犬の健康を守る第一歩になります。この記事が、あなたと愛犬の暮らしに少しでも役立てば幸いです。

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