愛犬が遊んでいるときに急に手を噛んできたり
子どもに本気で噛みついてしまったり…
そんな噛み癖に悩んでいませんか?
「成長すれば自然と直るのかな」
「どう対処すればいいのか分からない」と不安になる飼い主さんは多いのではないでしょうか。
実は犬が噛む行動には、成長段階やストレスや健康上のサインなど、いくつかの理由があります。原因を理解せずに誤った方法でしつけてしまうと、かえって噛み癖が悪化することも少なくありません。
そこで本記事では、犬が噛む主な原因と、家庭でできる安全なしつけ法をわかりやすく紹介します。事故を防ぎながら愛犬との暮らしをもっと快適にするためのヒントをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
目次
犬が噛む3つの原因
ここでは犬が噛む原因を、3つにまとめて解説します。
- 歯の生え変わりによるかゆみ
- 注意をひくための行動
- ストレスや運動不足
歯の生え変わりによるかゆみ
犬が噛む原因の1つ目は、歯の生え変わりのかゆみによるものです。
生後4〜7か月頃は、乳歯から永久歯へ切り替わる時期で、歯ぐきにムズムズ感が出やすくなります。その違和感を和らげるために、家具や人の手を噛んでしまうのです。
成長とともに落ち着きますが、噛んでよい物と悪い物を区別させることが重要です。噛んではいけない家具や人の手を噛むときには、叱りましょう。代わりにデンタルおもちゃを与え、自然に正しい習慣を学ばせてください。
注意をひくための行動
犬が噛む2つ目の原因は、注意をひくための行動です。
犬は遊んでほしいときや注目が欲しいときに、飼い主の手や服を噛むことがあります。特に子犬はエネルギーがあり余り、甘噛みを繰り返しがちです。
ここで大きな声を出したり強く反応したりすると「噛めばかまってもらえる」と誤学習してしまいます。対応のコツは冷静に反応することです。無視やその場を離れるなどで「噛んでも意味がない」と伝え、代わりにおもちゃで遊ぶように誘導してみてください。
ストレスや運動不足
犬が噛む3つ目の原因は、ストレスや運動不足によるものです。
散歩が少ない、留守番時間が長いなど、体力を持て余すと噛むことで発散しようとします。その結果、家具を壊したり攻撃的になったりする場合もあります。
改善には適度な運動が欠かせません。毎日の散歩時間を確保し、知育玩具や遊びで頭と体を使わせてください。十分な発散ができると、噛む行動が減り、犬の心身も安定してくる可能性が高まります。
犬の噛み癖を直すしつけ4選

ここからは犬の噛み癖を直すためのしつけを、4つにまとめて解説します。
- 噛めるおもちゃで欲求を満たす
- 無視や退出で冷静に対応する
- 「おすわり」「まて」でコントロール
- 運動量や遊びを増やしてストレス解消
噛めるおもちゃで欲求を満たす
犬の噛み癖を直すためのしつけの1つ目は、噛めるおもちゃで欲求を満たすことです。
噛む行動自体をやめさせるのではなく、噛んでよい物を与えることが効果的です。デンタルおもちゃや硬めのおやつを用意し「家具や人の手ではなくおもちゃを噛む」ことを習慣づけましょう。
噛んでよい対象を与えることで、犬は安心して欲求を満たせます。おもちゃを選ぶときには、安全性の高い製品を意識してください。
無視や退出で冷静に対応する
犬の噛み癖を直すためのしつけの2つ目は、無視や退出で冷静に対応することです。
噛んだときに大きな声を出したり怒鳴ったりすると、犬は「噛めば注目してもらえる」と誤解します。大切なのは、無視することやその場を離れることです。
冷静に対応することで「噛んでも意味がない」と学ばせられます。最初は根気がいりますが、繰り返すほどに効果が表れますよ。
「おすわり」「まて」でコントロール
犬の噛み癖を直すためのしつけの3つ目は、基本コマンドである「おすわり」や「まて」でコントロールすることです。
噛む前の行動を止めるためには、基本のコマンドを活用しましょう。たとえば、手に飛びつきそうになったときに「おすわり」「まて」を使えば、噛む行動を未然に防げます。
毎日の練習でコマンドに従う習慣を作ると、興奮時にも飼い主の指示に集中できるようになります。こうした基礎訓練は、噛み癖対策だけでなく日常生活全般に役立つので重要です。
運動量や遊びを増やしてストレス解消
犬の噛み癖を直すためのしつけの4つ目は、運動量や遊びを増やしてストレス解消を図ることです。
十分な運動は、噛み癖改善に有効です。散歩の時間を増やすことはもちろん、ボール遊びや知育玩具などで心身を刺激するのも良い方向に働きます。
エネルギーを発散できれば、噛むことでストレスを解消する必要がなくなります。噛み癖を直すには「疲れさせる」のも立派な方法です。生活リズムを見直して取り入れてみてください。
本気噛みへの安全な対処3選
ここでは本気噛みへの安全な対処方法を、3つにまとめて解説します。
- 興奮を抑える環境づくり
- 口輪やリードを使った応急対応
- プロのドッグトレーナーに相談
興奮を抑える環境づくり
犬の本気噛みへの安全な対処方法の1つ目は、興奮を抑える環境を整えることです。
犬が本気噛みをするのは、興奮が抑えられないときに多いです。来客時や物音に過敏に反応する場合は、静かな部屋に移動させる、カーテンを閉めて外部刺激を減らすなどの工夫をしましょう。
我が家では落ち着ける場所として、ケージに入る練習を取りいれました。興奮を高める要因を減らすことで、噛む前に落ち着きを取り戻しやすくなります。とにかく安全で落ち着ける場所を見つけることが重要です。
口輪やリードを使った応急対応
犬の本気噛みへの安全な対処方法の2つ目は、首輪やリードを使った応急対応です。
強く噛む行動が出たときは、まず人の安全を守ることが第一です。そのために口輪やリードを一時的に使用するのは有効な方法といえます。
ただし口輪は短時間の利用に限り、慣らしながら少しずつ取り入れる必要があります。リードも制御の手段として役立ちますが、乱暴に引っ張るのは逆効果です。正しく使うことで事故防止につながります。
プロのドッグトレーナーに相談
犬の本気噛みへの安全な対処方法の3つ目は、プロのドッグトレーナーに相談することです。
家庭での対応が難しいと感じたら、専門家に相談してください。ドッグトレーナーは噛む原因を見極めたうえで、その犬に合ったしつけ方法を提案してくれます。
特に家族に危険がおよぶ場合や、飼い主が対応に不安を感じるときは、早めに依頼するのが安心です。専門家の視点を取り入れることは、犬と人双方の安全を守る手段になります。
犬の噛み癖でやってはいけない3つの対応
ここでは犬の噛み癖に対してやってはいけない対応を、3つにまとめて解説します。
- 体罰
- 怒鳴り声
- 噛んでも放置
体罰
犬の噛み癖に対してやってはいけない対応の1つ目は、体罰です。
犬を叩く、強く押さえつけるなどの体罰は絶対に避けるべきです。一時的に噛むのをやめても、恐怖心が積み重なり攻撃性が増すことがあります。
体罰によって「人は怖い存在」と学んでしまうと、しつけどころか信頼を失う結果になります。体罰は解決策ではありません。冷静に、別の方法で伝えてください。
怒鳴り声
犬の噛み癖に対してやってはいけない対応の2つ目は、怒鳴り声です。
噛んだ後に長時間叱り続ける、怒鳴り声で押さえこむなどの対応も逆効果です。犬は「何に対して怒られているのか」を理解できず、不安や混乱を抱えます。
しつけは短い時間で簡潔に行うことが大切です。落ち着いた声で指示を出し、従えたらすぐ褒める。この積み重ねが、健全なしつけにつながります。
噛んでも放置
犬の噛み癖に対してやってはいけない対応の3つ目は、噛んでも放置する行為です。
噛み癖を「まだ小さいから大丈夫」と放置するのも危険です。子犬の頃に許されていた行動が、大人になって力が強くなると大きな事故につながります。
特に子どもや高齢者と一緒に暮らしている場合、早めの対応が必要です。放置せず、原因を見極めた上で対策を始めてましょう。
まとめ

犬の噛み癖は、成長過程やストレス、体調不良など複数の原因で起こります。そのため「自然に直る」と放置するのではなく、原因を見極めたうえで適切に対応することが大切です。
本記事では、歯の生え変わりや注目行動・運動不足・健康不調といった、主な原因を紹介しました。さらに噛めるおもちゃを与える、冷静に無視するなどの具体的なしつけ法も解説しました。
飼い主が正しい方法で根気強く取り組むことで、噛み癖は改善できます。事故を防ぎながら、愛犬と安心して暮らせる毎日を作りましょう。そうすれば、愛犬との暮らしがもっと楽しく素晴らしいものになるはずです。