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犬のトイレ失敗の原因と対策を解説!子犬・成犬別のしつけ方法も紹介

「何度教えてもトイレを失敗しちゃう…」
「ちゃんとシートでできる日はいつ来るの?」
「お散歩ではできるのに、おうちだとうまくいかない…」

このように、愛犬のトイレしつけで悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

でも大丈夫。子犬でも成犬でも、ちょっとした工夫とコツを知ればトイレの成功率はぐんと上がります。

この記事では、犬がトイレに失敗してしまう主な原因と、その対策をわかりやすくお話ししていきます。しつけを助けてくれる便利なグッズや、毎日できるちょっとした工夫もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

子犬がトイレを失敗する原因4つ

まずは、子犬がトイレを失敗する原因を4つにまとめて紹介します。

  • 環境が整っていないために混乱する
  • トイレの場所を覚えていない
  • 飼い主の誘導タイミングがずれている
  • 緊張やストレスで排泄を我慢できない

子犬のトイレトレーニングがうまくいかないと、不安になりますよね。でも、その失敗にはきちんとした理由があります。まずはよくある原因を知ることから始めてみましょう。

環境が整っていないために混乱する

子犬がトイレを失敗する原因の1つ目は、環境が整っていないために混乱することです。

トイレの場所が不明確だと、子犬はどこで排泄すればよいのか迷ってしまいます。毎回トイレシートの位置が変わったり、騒がしい場所にあったりすると集中できず、失敗の原因になります。トイレは静かで落ち着ける場所に固定しましょう。

シートの周囲も片づけて、子犬が迷わず行けるようにしてあげてください。また、排泄後のにおいが残るようにしておくと、再び同じ場所を使いやすくなります。

環境を整えることが、しつけ成功への第一歩です。

トイレの場所を覚えていない

子犬がトイレを失敗する原因の2つ目は、トイレの場所を覚えていないことです。

まだ記憶力が未熟な子犬は、何度か教えてもすぐには場所を覚えられません。特に生後3か月未満の子犬は、排泄の感覚自体がつかめていない場合もあります。そのため、トイレの場所を覚えるまでには時間がかかります。

失敗しても叱らず、成功したときにしっかり褒めることが大切です。繰り返し教えることで少しずつ覚えていきますので、気長に付き合ってあげてください。

毎日の積み重ねが、しっかりとした習慣になりますよ。

飼い主の誘導タイミングがずれている

子犬がトイレを失敗する原因の3つ目は、飼い主トイレへ誘導するタイミングがずれていることです。

タイミングが合わないと、子犬はトイレに間に合わず失敗してしまいます。排泄のタイミングを見極めて誘導することがポイントです。

子犬は寝起きや食後、遊んだ後などに排泄することが多いため、そのタイミングでトイレに連れて行ってみてください。クルクル回る、床のにおいを嗅ぐなどのサインも見逃さないようにしましょう。正しいタイミングで誘導することで、成功体験が増えていきます。

日々の観察がカギになりますね。

緊張やストレスで排泄を我慢できない

子犬がトイレを失敗する原因の4つ目は、緊張やストレスで排泄を我慢できないことです。

慣れない環境に不安を感じていると、子犬は排泄を我慢できず失敗することがあります。特に新しい家に来たばかりの頃は、音やにおい、家族の動きすべてがストレスの原因になり得ます。まずは安心できる環境を作ってあげることが大切です。

ケージを静かな場所に置いたり、やさしく声をかけたりすることで、落ち着いて過ごせるようになります。

心が落ち着けば、トイレの失敗も自然と減っていくでしょう。

成犬がトイレを失敗する原因4つ

「前はできていたのに…」と悩む成犬のトイレの失敗。子犬とは違う理由が隠れていることもあります。

ここでは、成犬がトイレを失敗する原因を4つにまとめて紹介します。

  • 引っ越しや模様替えによる混乱
  • トイレの場所が気に入らない
  • 加齢による排泄コントロールの低下
  • 飼い主とのコミュニケーション不足

引っ越しや模様替えによる混乱

成犬がトイレを失敗する原因の1つ目は、引っ越しや模様替えによる混乱です。

環境が大きく変わると、成犬でもトイレの場所がわからなくなることがあります。引っ越しや家具の移動で以前と異なる位置にトイレを設置した場合、犬は混乱して失敗してしまうことがあるのです。

こうした場合は、新しいトイレの場所をしっかり教え直してあげる必要があります。何度か誘導し、成功体験を重ねていくことで、徐々に新しい環境にも慣れていくはずです。

できていたことができなくなって苛立つ気持ちもあるでしょうが、ぐっとこらえて慣らしていきましょう。

トイレの場所が気に入らない

成犬がトイレを失敗する原因の2つ目は、トイレの場所が気に入らないことです。

犬にも好みがあり、トイレの場所やシートの状態が気に入らないと使わないことがあります。においが強すぎたり、狭すぎたり、通り道の途中にあるような場所では落ち着いて排泄できません。静かで安心できる空間にトイレを設置してあげましょう。

また、汚れたシートのままでは嫌がる犬もいます。清潔な状態を保つことも、成功のためには大切ですよ。

加齢による排泄コントロールの低下

成犬がトイレを失敗する原因の3つ目は、加齢による排泄コントロールの低下です。

年齢を重ねることで、排泄を我慢する力が弱まることがあります。シニア犬になると、膀胱の筋力や神経の働きが衰え、間に合わずに失敗してしまうのです。このような場合は、トイレの回数を増やしたり、寝床の近くにトイレを設置したりすることで対応できます。

防水マットやペットシートを広めに敷くと安心ですね。体の変化を受け入れながら、優しく見守ってあげてください。

飼い主とのコミュニケーション不足

成犬がトイレを失敗する原因の4つ目は、飼い主とのコミュニケーション不足です。

普段の接し方や関係性がうまくいっていないと、トイレの失敗につながることがあります。犬はとても敏感で、飼い主の態度や生活の変化を感じ取ります。急な仕事の忙しさやストレスが愛犬にも影響することがあるのです。

忙しい中でも、朝晩に声をかけたり撫でたりするだけで安心感は生まれます。トイレだけでなく、全体的な行動も落ち着いてくるはずですよ。

犬のトイレ失敗を防ぐ対策4つ

「どうすれば失敗を減らせるの?」と悩む方に向けて、ここでは犬のトイレの失敗を防ぐ効果的なしつけの方法を4つにまとめて紹介します。

  • トイレ環境を見直して快適に整える
  • 成功時にすぐ褒めて覚えさせる
  • 排泄のタイミングを記録して予測する
  • トイレ場所を一貫して変えない

どれも今日から取り組める内容ですので、ぜひ愛犬と一緒に試してみてくださいね。

トイレ環境を見直して快適に整える

犬のトイレの失敗を防ぐための1つ目の対策は、トイレ環境を見直して快適に整えることです。

まずは、トイレの環境をもう一度見直してみましょう。犬はとても繊細で、音や光、においに敏感です。

たとえば、テレビの音が近かったり人の出入りが多い場所だったりすると、落ち着いて排泄ができません。トイレの位置は静かで落ち着いた空間に設置することが大切です。

また、トイレシートの種類が合っていない場合もあります。ふわふわした素材を好む犬もいれば、固めの感触を嫌がる子もいますので、いくつか試してみるのもよいでしょう。さらに、シートはこまめに取り替えて清潔を保ちましょう。においが残ることで「ここがトイレだ」と認識しやすくなります。

環境が整えば、それだけで失敗は減っていきますよ。

成功時にすぐ褒めて覚えさせる

犬のトイレの失敗を防ぐための2つ目の対策は、成功時にはすぐに褒めて覚えさせることです。

トイレを成功させたタイミングで、すぐにしっかりと褒めることが大切です。「よくできたね!」「えらいね!」という声かけに加えて、ごほうびとしておやつをあげても構いません。ポイントは“すぐに”ということ。

成功から時間が経ってしまうと、犬は「なぜ褒められたのか」が分からなくなってしまいます。成功の瞬間に褒めることで、「ここで排泄するといいことがある」と学習してくれます。

褒める際の声のトーンも重要です。明るく高めの声で話しかけると、犬は喜びやすくなります。何度も成功体験を積み重ねていけば、自然と正しい場所での排泄が習慣になっていくでしょう。

叱るよりも、褒める方がはるかに効果的ですよ。

排泄のタイミングを記録して予測する

犬のトイレの失敗を防ぐ3つ目の対策は、排泄のタイミングを記録して予測することです。

犬が排泄しやすいタイミングを知っておくことは、しつけの成功率を高める上でとても重要です。多くの犬は、寝起き・食後・遊んだあとなどに排泄する傾向があります。まずは数日間、愛犬がどのタイミングで排泄をしているかを観察し、簡単なメモをとってみましょう。

「朝ごはんのあと10分でトイレ」「夕方の散歩後すぐに排泄」など、パターンが見えてくるはずです。その情報をもとに、排泄しやすい時間にあわせてトイレに誘導することで、成功率は格段にアップします。

また、予測ができるようになると飼い主も気持ちに余裕が生まれ、トレーニングがより前向きになりますよ。排泄のタイミングを知ることは、愛犬の体調管理にも役立ちますので、ぜひ日常に取り入れてみてください。

トイレ場所を一貫して変えない

犬のトイレの失敗を防ぐ4つ目の対策は、トイレの場所を一貫して変えないことです。

トイレの場所を頻繁に変えてしまうと、犬はどこで排泄すればよいのか混乱してしまいます。一度覚えた場所をしっかりと維持することで、犬にとって「ここが自分のトイレだ」と認識しやすくなります。

引っ越しや模様替えなど、どうしても場所を変えなければならないときは、段階的に新しい場所に移動していく方法がおすすめです。たとえば、毎日少しずつトイレシートをずらしていき、最終的に新しい位置に落ち着かせるといった工夫が有効です。

また、複数の場所にトイレを設置してしまうと、どこでしてよいかの区別がつかなくなります。基本的には1か所に固定し、そこを徹底的に覚えさせることが大切です。トイレの位置を安定させることは、愛犬にとっても大きな安心材料になりますよ。

トイレしつけにおすすめのグッズ4選

しつけがうまくいかないときは、便利なグッズに頼るのもひとつの手です。そこで、ここではトイレトレーニングを手助けしてくれる人気のアイテムを4つにまとめて紹介します。

  • 吸収力の高いペットシーツ
  • 匂い付きの誘導スプレー
  • 犬の大きさにあったトイレトレー
  • ごほうびに使える「おやつ」

どれも手軽に使えるものばかりですので、どうぞ参考にしてください。

吸収力の高いペットシーツ

トイレのしつけにおすすめのグッズの1つ目は、吸水力の高いペットシーツです。

トイレシーツはしつけの基本アイテム。特に吸収力の高いタイプはにおいや湿気を抑える効果があり、犬が快適に使いやすくなります。においが残ることで「ここがトイレ」と認識しやすくなるのもポイントです。

裏面が滑りにくく、床にしっかり固定できるタイプを選ぶと失敗が減ります。また、薄すぎるシートだと漏れたり破れたりすることがあるため注意が必要です。厚手でしっかりしたものを選んであげましょう。

毎日の使用頻度が高いので、コスパのよいまとめ買いもおすすめです。

匂い付きの誘導スプレー

トイレのしつけにおすすめのグッズの2つ目は、匂いつきの誘導スプレーです。

誘導スプレーは、犬が自然とトイレシートの上で排泄したくなるようにサポートしてくれる便利なアイテムです。犬が好む匂いがついているため、トイレの場所に興味を持たせることができます。しつけの初期段階や、トイレの位置を変えたいときにも役立ちますよ。

使い方も簡単で、シートの中心に軽くスプレーするだけ。繰り返し使用することで「ここでしてもいいんだ」と覚えていきます。

なかなかトイレを覚えない場合や、失敗が多いときにぜひ試してみてください。

犬の大きさにあったトイレトレー

トイレのしつけにおすすめのグッズの3つ目は、犬の大きさにあったトイレトレーです。

トイレトレーは、シートを固定するだけでなく、犬が使いやすい構造であることも重要です。特に縁が高すぎると、子犬や小型犬はうまく乗れず、トレーの外でしてしまうことがあります。反対に、フチが低くて出入りしやすいタイプなら、犬も自然とトレーを使いやすくなります。

最近では、メッシュ付きで足が濡れにくい構造のものや、滑り止め付きのトレーもあります。排泄のたびにズレてしまうと犬も混乱するため、安定感のある製品を選んであげてください。

シートとの相性も考えながら、犬のサイズや動きに合ったものを選ぶのがポイントです。

ごほうびに使える「おやつ」

トイレのしつけにおすすめのグッズの4つ目は、ごほうびに使える「おやつ」です。

しつけの成功には「褒めること」がとても大切。その際に役立つのが、小さなおやつです。トイレをうまくできたときにすぐ与えることで、「良いことがあった!」という記憶を強く印象づけることができます。ごほうびはすぐに与えることが大事なので、常にポケットや身近に用意しておくとよいでしょう。

1回の量はごく少量で構いません。食べすぎを防ぐためにも、カロリー控えめで小粒のおやつを選ぶと安心です。おやつをうまく使うことで、犬は楽しみながらトイレトレーニングに取り組めるようになりますよ。

トイレサインを見逃さない方法4選

ここからは、トイレサインを見逃さないための方法を4つに厳選して紹介します。

  • クルクル回るなどの予兆を覚える
  • トイレ前に特定の場所へ行く
  • 落ち着きがなくなる瞬間に注目
  • 鳴き声や目線での訴えを見極める

上記のように、犬はトイレに行きたくなると、さまざまなサインを出しています。そのサインを見逃さずに対応することで、トイレの成功率がグッと上がります。

クルクル回るなどの予兆を覚える

トイレサインを見逃さない方法の1つ目は、くるくる回るなどの予兆を覚えることです。

犬が排泄したいと感じたとき、よく見られる行動のひとつが「その場でクルクル回る」しぐさです。これは、排泄場所を探しているときに見せる典型的なサインといえるでしょう。床のにおいを嗅ぎながら回る動作が見えたら、すぐにトイレへ誘導してみてください。

特に子犬の場合は、サインを出してからすぐ排泄に至ることが多いため、タイミングがとても重要です。最初は気づくのが難しいかもしれませんが、何度か繰り返すうちにパターンが見えてきます。

見逃さず対応できれば、成功体験が増えて自信にもつながりますよ。

トイレ前に特定の場所へ行く

トイレサインを見逃さない方法の2つ目は、トイレ前に行く特定の場所を知ることです。

犬は自分が「トイレ」と認識している場所に向かおうとする行動をとることがあります。たとえば、いつもトイレシートのある部屋のドアの前で立ち止まったり、トイレトレーの周りをウロウロし始めたりする様子です。

こうした行動が見られたときは、迷わず扉を開けたり誘導したりして、排泄のチャンスを逃さないようにしましょう。このサインを見逃すと、間に合わずに失敗することもあります。毎日観察を続けることで、犬がどんな行動で「行きたい」と訴えているのかが分かってきます。

トイレトレーニングのカギは、日々のちょっとした気づきにあるのではないでしょうか。

落ち着きがなくなる瞬間に注目

トイレサインを見逃さない方法の3つ目は、落ち着きがなくなる瞬間に注目することです。

犬が突然ウロウロし始めたり、座ったり立ったりを繰り返したりと、急にそわそわし始めることがあります。これは排泄を我慢しているサインであることが多く、特に室内で自由に過ごしているときに見られます。

落ち着かない様子を見せたら、まずはトイレへ誘導してみてください。そのまま放っておくと、我慢しきれずにその場で排泄してしまう可能性があります。

こうした動きは一見わかりづらいですが、毎日一緒に過ごしていると「なんとなくおかしいな」と感じる瞬間があるはずです。その“違和感”を大切にし、早めに行動することが成功への近道になりますよ。

鳴き声や目線での訴えを見極める

トイレサインを見逃さない方法の4つ目は、鳴き声や目線での訴えを見極めることです。

犬はトイレに行きたいとき、鳴き声や視線で飼い主に訴えることもあります。「キュンキュン」と甘えるような声を出したり、じっと目を見つめてきたりするのは、何か伝えたいことがあるサインです。

特にトイレの場所に自分で行けない状況のとき、こうした行動が見られやすくなります。最初は「遊んでほしいのかな?」と思うかもしれませんが、トイレのタイミングと重なっていないかを意識してみてください。

日々のコミュニケーションを通じて、愛犬の“伝え方”に気づけるようになると、トイレの失敗もぐんと減ります。鳴き声や目線は、犬からの大切なメッセージなのです。

ケージでトイレを覚えさせるコツ4選

ケージを上手に使えば、トイレのしつけがぐっと楽になります。そこでここでは、ケージを活用したしつけのポイントを4つにまとめて紹介します。

  • ケージ内にトイレゾーンを設定する
  • 食事とトイレの時間を管理する
  • ケージから出すタイミングを決める
  • トイレ成功後すぐに褒める習慣をつける

安心できる空間で習慣づけることで、犬も自然と場所を覚えられるようになります。ぜひ参考にしてください。

ケージ内にトイレゾーンを設定する

ケージでトイレを覚えさせるコツの1つ目は、ケージ内にトイレゾーンを設定することです。

ケージの中に「寝る場所」と「トイレの場所」を明確に分けてあげることで、犬は自然と排泄の場所を覚えるようになります。清潔好きな犬は、自分の寝床では排泄を避ける傾向があるため、その本能を利用した方法です。

トイレトレーはケージの端に配置し、寝るスペースとは離すようにしましょう。最初のうちはシートを広めに敷いておき、成功率を高めるのもおすすめです。排泄がうまくできたら、褒めてあげるのも忘れずに。

トイレゾーンが定着すれば、ケージの外でも場所を選んで排泄できるようになります。ケージはしつけの“基礎づくり”にぴったりの道具といえるでしょう。

食事とトイレの時間を管理する

ケージでトイレを覚えさせるコツの2つ目は、食事とトイレの時間を管理することです。

排泄の習慣をつけるためには、食事とトイレのタイミングをできるだけ一定にすることが大切です。ケージでの生活なら、時間管理がしやすくなります。

たとえば、毎日朝7時にごはんをあげるようにすれば、自然と「その後にトイレ」というリズムが身についていきます。食後30分以内は排泄しやすい時間帯なので、そのタイミングでトイレに誘導してみてください。

規則的な生活を送ることで、犬の体内リズムも安定し、しつけがスムーズになります。とくに子犬のうちは、排泄の回数も多いので、1日に数回観察と記録をしておくとさらに効果的です。生活習慣を整えることが、しつけ成功への近道ですよ。

ケージから出すタイミングを決める

ケージでトイレを覚えさせるコツの3つ目は、ケージから出すタイミングを決めることです。

ケージから出すタイミングをしっかり決めておくことで、犬にとっての“行動ルール”が明確になります。排泄したあとにケージから出すようにすると、「トイレを済ませれば外に出られる」と学習するようになります。逆に、排泄する前に出してしまうと、室内のどこでもしてよいと誤解してしまう可能性があるため注意が必要です。

最初のうちは排泄するまで外に出さないようにし、成功したらしっかり褒めてあげましょう。こうした繰り返しが、自然とトイレ習慣を身につけるきっかけになります。

また、外に出した後の行動にも注目して、遊び時間や休憩時間とのバランスもとってみてください。日常の中にルールがあることで、犬も安心して行動できます。

トイレ成功後すぐに褒める習慣をつける

ケージでトイレを覚えさせるコツの4つ目は、トイレ成功後すぐに褒める習慣をつけることです。

ケージ内でトイレに成功したら、その瞬間にしっかり褒めてあげましょう。犬は「今の行動が正しかった」と思えたときに、もっとも効果的に学習します。時間が経ってから褒めても、何に対して褒められているのかわからなくなってしまいます。

声のトーンは明るく、表情もにこやかにすることで、犬は飼い主の喜びを敏感に感じ取ります。ごほうびのおやつを用意しておくのも良い方法です。「トイレ=うれしいことがある」と思わせることがポイントです。

毎回褒めることを繰り返すうちに、犬の中で正しい行動として定着していきます。しつけは大変に思えるかもしれませんが、ちょっとした声かけが大きな効果につながるのです。

よくあるトイレしつけの疑問4選

さいごに、トイレしつけのよくある疑問を4つに厳選して紹介します。

  • 一度トイレを覚えたのに失敗する理由は?
  • オス犬とメス犬でトレーニング方法は違う?
  • 夜間のトイレはどう対応すればいい?
  • 外でしか排泄しない犬はどうすればいい?

一度トイレを覚えたのに失敗する理由は?

トイレしつけの疑問の1つ目は、「一度トイレを覚えたのに失敗する理由は?」です。

一度覚えたはずなのに、急にトイレを失敗するようになることがあります。実は、これは珍しいことではありません。原因としては、生活環境の変化やストレス、体調不良などが考えられます。

たとえば、模様替えでトイレの位置が変わったり、来客が多くて落ち着けなかったりすると、犬は混乱して排泄をうまくコントロールできなくなるのです。また、膀胱炎などの病気が関係している場合もあります。

失敗が続くようであれば、かかりつけの動物病院で一度相談してみましょう。早めに原因を見つけて対処することで、再び落ち着いてトイレができるようになりますよ。

オス犬とメス犬でトレーニング方法は違う?

トイレしつけの疑問の2つ目は、「オス犬とメス犬でトレーニング方法は違う?」です。

基本的なしつけの方法は性別に関係なく同じですが、オス犬には「マーキング」という行動があるため、その点だけ注意が必要です。マーキングとは、自分の縄張りを主張するために少量の尿をかける行動で、特に外や家具の脚などに多く見られます。しつけの際には、トイレの成功だけでなく、マーキングの防止にも気を配る必要があります。

一方、メス犬はマーキングが少なく、排泄行動も比較的安定している傾向にあります。

いずれにしても、しつけの基本は「褒めて教える」こと。性別に合わせたちょっとした工夫を加えながら、楽しくトレーニングしていきましょう。

夜間のトイレはどう対応すればいい?

トイレしつけの疑問の3つ目は、「夜間のトイレはどう対応すればいい?」です。

夜のトイレ問題は、多くの飼い主さんが悩むポイントのひとつです。特に子犬やシニア犬は夜間に排泄したくなることがあり、そのままにしておくとシート以外の場所でしてしまうケースもあります。

対策としては、寝る前に必ずトイレを済ませさせることが基本です。また、ケージの近くにトイレを設置しておくと安心です。子犬の場合は、夜中に1度起きてトイレへ誘導するのも効果的です。

シニア犬の場合は、体調の変化による排泄コントロールの低下も考えられるので、失敗しても叱らずに環境を整えてあげましょう。夜の排泄も含めて習慣化することで、飼い主も犬も安心して眠れるようになりますよ。

外でしか排泄しない犬はどうすればいい?

トイレしつけの疑問の4つ目は、「外でしか排泄しない犬はどうすればいい?」です。

散歩中にしかトイレをしない犬は意外と多く、天気が悪い日や外出できない日には困ってしまいますよね。外でしか排泄できない理由としては、室内トイレの経験が少ないことや、におい・音などの環境が合わないことが考えられます。

まずは室内でも落ち着ける静かな場所にトイレを用意し、におい付きスプレーなどを使って誘導してみてください。最初はうまくいかなくても、成功したときにはたくさん褒めてあげましょう。

また、トイレを我慢させすぎると健康に影響することもあるため、焦らず少しずつ慣らしていくことが大切です。室内でも安心して排泄できるようになれば、犬も飼い主も日常がぐっとラクになります。

まとめ

犬のトイレしつけは、焦らずじっくり向き合うことが大切です。

失敗には必ず原因があり、正しい対策と日々の積み重ねで必ず改善できます。子犬も成犬も、それぞれの個性や環境に合わせて工夫していくことが成功のカギです。

しつけの基本は褒めること、褒めるタイミングを見逃さないこと。今回ご紹介した原因や対策、便利なグッズを活用して、愛犬との暮らしがもっと快適なものになるよう願っています。

トイレのしつけを通して、信頼関係もいっそう深まっていくことは間違いありません。

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